もうひとつの月の宿 インド占星術のナクシャトラが伝える月のメッセージ:プールヴァ・バードラパダー

こんにちは。月よみ師®でアーユルヴェーダヒーリングコンサルタント Sahra(サーラ)です。

月よみWEBでは月よみとインド占星術を組み合わせた情報を発信しています。

前回は、
2月27日満月のナクシャトラ、
プールヴァ・パールグニー(獅子座13度20分~獅子座26度40分)
についてお話しました。
今回は、
3月13日新月のナクシャトラ
プールヴァ・バードラパダー( 水瓶座 20度00分~魚座3度20分)
についてのお話です。

ナクシャトラについては、こちらでも説明しています。
参考になさってくださいね。
https://tsukiyomi-magazine.com/2020/01/18/post-14139/

今回ご紹介する
プールヴァ・バードラパダー Purva Bhadrapada
水瓶座 20度00分~魚座3度20分
支配神:アジャイカパーダ
象徴:2つの顔の男、剣、葬儀用のベッドの前脚

破壊と再生

支配神のアジャイカパーダは、不明瞭な神とされています。
あまり知られていない神とされていて、はっきりとこういう神です、という決まった定義がないようなのです。

アジャイカパーダはサンスクリット語の3つの単語から成り立っています。
アジャ=超自然の、まだ生まれていない、あるいは、山に住む山羊
イカ=1
パーダ=脚

アジャイカパーダがどういう神なのかは、この3つのサンスクリット語の意味に基づいて、いくつかの解釈があります。

ここでは、そのうちの2つを取り上げますね。

①一本脚のまだ生まれていないもの、あるいは、一本脚の山羊
これは雷を表すとされていて、嵐の神の姿のひとつととらえられています。雷が鳴り始めると、稲妻が走ります。稲妻は一本。そしてどこにでも落ちる。どこにでもというのは、高い山を自在に移動する山羊のようだということのようです。

②脚が1つで顔が3つの神
これは破壊の神であるシヴァ神のいくつもある姿のひとつとされています。シヴァ神は嵐の神ともつながっているので、嵐の神の別の姿とも言われています。

この2つの解釈では、アジャイカパーダを稲妻、洪水、嵐を呼び起こす神さまと捉えています。破壊の神シヴァ神の分身のような神さまですね。

稲妻や洪水、嵐は破壊をもたらす危険なものです。
けれど、自然を観察し、その生命のサイクルに目を向けると破壊は必然です。
破壊があるから再生がある。

焼き払われた大地や、洪水で洗い流された大地にやがて新しい芽吹きの時が訪れます。
嵐でなぎ倒された木々は新しい森を育む力となり、森に循環が生まれます。

壊れにくい物をよしとする傾向のある現代の私たちが、ついつい忘れがちな自然界の壮大な破壊と再生のくり返し。
そのことを象徴するナクシャトラです。

13日にやってくる新月には、自然の摂理、宇宙の壮大なシステムに、ひと時、思いを寄せてみてはいかがでしょう?

ふたつの世界

二重性がこのナクシャトラの性質のひとつです。

このナクシャトラの3種類のシンボルはどれもその二重性を強調しています。それがこちらです。

①ふたつの顔の男
②剣
③葬式用のベッドの前足

ひとつひとつ説明しますね。

①ふたつの顔の男
ふたつの顔は真逆の方向を向いています。

これはある状況を別々の視点で見ること
あるいは、
2つの世界を見ること
を表し、それは、死の時を表したものという解釈になります。

ひとつの顔はこれまで生きてきたこちらの世界を向いて自分の人生を振り返り、もうひとつの顔は、これから向かう死後の世界をのぞいている、という解釈です。

さらに、顔が真逆に向いていることがコインの裏表を表すようにもとれるため、物事には裏表があること、人に当てはめた場合には、人にも裏表があることを表すという解釈もされています。

②剣
剣は断ち切るもの。

私たちはいつかは今のこの人生とのつながりを断ち切らなければなりません。
剣は今の人生とのつながりを断ち切ることが必要だということを表しています。これは同時に、次の世界に向かうための準備です。新しく始めるために、過ぎ去ったものとのつながりを断ち切ることが必要ということです。

もうひとつ、剣が表しているのは、物質に囲まれた世界から精神性を高める世界へと向かうために、現世的、物質的なものへの執着を断ち切ることが必要ということ。こちらの解釈のほうは、ちょっと、修行僧への進言のような感じになりますけれど。

③葬式用のベッドの前脚
葬式用のベッドの前脚なんて、あまり縁起がよくないようにも感じられるかもしれませんが、これは、今世での義務を果たした後にやってくる死の入り口=物質世界からの出口を表すとされています。

実は、葬式用のベッドとは遺体を載せて焼くための板のことを表しています。板のベッドに寝かされた肉体は火の浄化によって今世を終わらせて次の世界へ向かいます。葬式用のベッドとはそうした浄化の儀式のための道具なのです。

火の浄化は、物質世界からスピリチュアルな世界への変容のはじまりを示していて、それは同時に、輪廻転生のはじまりだとされています。

①から③に共通するのは、この世には二つの世界があって、それがつながっているということ。

今私たちが生きている世界と、この世界を去った後にはじまる次の世界。それは、表裏一体というとらえ方もあり、一本の路でつながっているというとらえ方もある。いずれにしても、二つはつながっているということですね。

プールヴァ・バードラパダーのシンボルが示していることをまとめると、次のことになります。
・今の世界を生きた後にはまた新たな世界がやってくること
・ひとつのことが終わることで新しいことが始まっていくということ

循環が自然の摂理だということを改めて思い出させてくれるナクシャトラです。

終わりとはじまり

支配神もシンボルも、火や破壊と再生、終わりとはじまりを表しています。

このナクシャトラがもつ大きな意味は変容という言葉で表現できると思います。
死=破壊を経て再生へ。
ひとつのことの終わりと新しいことの始まり。
物質的なものから精神的なものへ。

水瓶座から魚座にまたがるナクシャトラですので、個人的な目的から社会への奉仕への移行という意味も生まれます。

コロナの影響は1年たった今でも続いています。コロナ以前の生活にはもう戻れないことを誰もが実感していると思います。そして、ひとりひとりの生活だけでなく、社会も大きくシフトしています。

すでに生活を見直して新たな生活様式、社会の変化に適応しはじめている方もいらっしゃる一方で、まだ過去の生活や社会環境への執着が手放せない方もいらっしゃると思います。

コロナ以前の世界には戻れないことがはっきりした今、新しい世界でよりよく生きるために自分にとって何が必要か、自分をどう変えていくか、あるいは、絶対に変えたくないものは何かを見極めるタイミングではないでしょうか。

ずっと守っていきたい大切なものだけをもって、もう不要になったものへの執着を手放し、新しい世界へ踏み出す。今度の新月のエネルギーがそんなあなたを後押ししてくれます。

何かが終わり、何かが始まる予感の新月。
プールヴァ・バードラパダーの月が生み出す終わりとはじまりのエネルギーを活かしてくださいね。

※参考文献
こちらの記事は以下の書籍を参考にしています。
書籍:
LIGHT ON LIFE by Hart de Fouw & Robert Svoboda
THE NAKSHATRAS by Komilla Sutton
27 STARS, 27 GODS by Vic DiCara (Vraja Kishor das)

※ブログや今行っている活動の募集など、こちらのリンクから飛んで頂けるとうれしいです。
https://linktr.ee/akatsukiayv

月よみ師のプロフィール

Sahra(サーラ)月よみ師
大阪府在住 アラフィフおひとりさま女子
アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント

妹の難病発症や自身の病気の経験から自然療法に興味をもち、
ふとした出会いでアーユルヴェーダセラピストを目指すことに。

宇宙のリズムに合わせて生きることが、心と体の健康につながることを
アーユルヴェーダを通して学ぶうちに、
アーユルヴェーダではもちろんのこと、
女性の体のリズムやインド占星術でも大切な存在である
”月”に心惹かれ、月よみ師に。

アーユルヴェーダや月のパワーで
お疲れ女子の前向き人生をサポート。
ココロとカラダが整えば、人生はもっと楽しくなります!

ブログ:アーユルヴェーダ活用ミュージアム
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