満月から下弦の月までは心臓! 〜月の満ち欠けを利用した効果的なケア〜

こんにちは。月よみ鍼灸師 小林怜子です。
今月も、月の満ち欠けによって影響を受ける臓器はどのような働きをしているのか? を東洋医学の考え方からお伝えしていきます。

新月からその次の新月までを、以下の8つのパターンに分けてお伝えしてまいりました。

新月当日
新月(+)期:新月から上弦のあいだ
上弦の月当日
満月(+)期:上弦から満月までのあいだ
満月当日
・満月(-)期:満月から下弦のあいだ
下弦の月当日
新月(-)期:下弦から新月までのあいだ

今回は、「満月から下弦の月のあいだ」についてです。
月の満ち欠けに合わせた最適なより効果的なケアもお伝えしますので、ぜひ試してみてくださいね。

6月25日から満月(-)期。身体への影響は?

6月25日3時40分 満月となります。
7月2日6時11分 下弦の月となります。
この満月から下弦の月までの期間が満月(-)期です。

満月(-)期に、月からのエネルギーを受けやすい臓器は、心臓です。
(下弦の月とは、満月から月がどんどん細くなっていき、ちょうど半分の大きさになった月のことです。)

心臓が動いている=生
心臓が止まる=死
心臓の動きによって生死を分けるわけですから、きちんと働いてくれないと困りますよね。

西洋医学的には、心臓は『全身に血液を巡らせている』臓器です。

心臓は、“こころ”の臓と表記し、心臓のシンボルである“ハート”“ハートマーク”は、“愛”を表す言葉としても使います。
“こころ”って……
“愛”って……
心臓なの???

単純に、身体に血液を巡らせているだけの臓器というわけではなさそうです。

それでは、東洋医学的には心臓はどのように捉えるのか、みていきましょう。

心臓の働き・心が弱ったときの症状は?

(心臓の臓器そのものについてのときは“心臓”、心臓の働きについてのときは“心(しん)”と表記します。)

東洋医学では、心は、血を全身に巡らせるだけではなく、その他の内臓の働きを統括し調和させ、知覚・記憶・思考・意識・判断などの精神活動もおこなっていると考えます。

・動作、言語、表情などの意識的活動
・心拍動、呼吸、消化吸収、排泄などの無意識活動
このどちらも、心の働きにより状況に応じた的確な調整がなされ、適切におこなわれることで健全な状態を保つことができます。

感情や、意識のコントロールも“心”がおこなっていると考えるのです。
それなら、心臓が“こころ”の臓である、というのも納得がいきますね。

心が弱ると、
・顔色が白っぽく、肌のツヤがなくなる。
・不安感やイライラするなど情緒不安定になる。躁鬱(そううつ)状態になる。
・胸がモヤモヤしたり、焦燥感にかられる。
・不眠(眠りが浅い、夢をよく見る)。
・汗が出るべきときに出ない。むやみやたらと汗が出る。
・動悸、息切れ、めまい、不整脈。
・熱が身体の内にこもる。のぼせる。
・手足が冷える。
・舌の先が赤くなる。
・ろれつが回らなくなる。うまくしゃべれない。
・味覚異常
・尿が濃くなったり、赤っぽくなったりする。
・(年齢的なものではなく)物忘れがひどくなる。(加齢による物忘れは腎の弱りです)

すべての内臓を統括している心の不調は、多岐に現われます。
しっかりと心臓ケアをおこない、健全な身体活動、健全な“こころ”を保ちましょう。

6月25日からの満月(-)期にやると良い身体ケアは?

心を労り、守るためには、
・血流を良くする
・身体に熱をためこまないようにする
・ストレスをためないようにする(ストレスを発散する)
ということが必要です。

平熱が低い(35度台)と病気になりやすい。
免疫アップのためには平熱が高い方が良い。
身体を温めて冷えを改善しよう。

以上のような文言を聞いたことがある方は多いと思います。

「冷えのない身体」「平熱が高い」ということと、“身体に熱が溜まっている”ということは、同じではありません。

血がしっかりと全身を巡り、身体が温まっている(熱エネルギーがある)状態で、冷え知らずな身体であることは、良いことです。
しかし、同じ熱エネルギーがある状態でも、熱がうまく外に発散できずに、身体の内側にこもってしまい滞っている状態は、よくありません。
きちんと循環していることが大切です。

それでは、さっそく、心臓ケアをやってみましょう。

①身体に溜まった熱を発散させましょう。
走るときの腕の振りのように、左右交互に、前後に大きく腕をスウィングします。
胸にたまったエネルギーが、脇の下から放出されるようなイメージで勢いよく大きく振ります。
左右合せて50回振ります。

②手少陰心経(てしょういんしんけい)のツボ押しをして、心臓に関係する経絡(ツボのルート)の流れを良くしましょう。

1.少海(しょうかい): 肘の内側のシワの小指側の端。上からさすると、骨と骨のあいだに指が止まる(凹みにはまる)ところ。
2.霊道(れいどう):手首のシワの端(小指側)から、指2本分上(肘の方側)にあがったところ。
3.神門(しんもん):手首のシワの小指側の端。シワの手のひら側に触れる豆状の骨の際(きわ)で、親指側には筋(スジ)が触れる。
4.少府(しょうふ):手のひらの、薬指の付け根で触れる骨と、小指の付け根で触れる骨とのあいだ。
5.少衝(しょうしょう):小指の爪の付け根の親指側。

心臓への巡りをよくすることと、自分の身体と対話することを目的としています。
正確な場所がわからなくても、そのあたりというアバウトな感じでもかまいません、図を参考に触って見てください。
図は右手のみですが、左右どちらもやってみましょう。

自分が心地良い強さでゆっくり3秒間押して、ゆっくりと力を抜く、という感じで、1から5の順番通りに押していきます。
心経のラインは、脇の下の中央からスタートし、小指に方向に向かって流れていきます。流れの向きに逆らわずに、流れの方向の順番で進んでいきましょう。

5つのツボの中で
・特に痛かったツボ
・特に心地良かったツボ
は、ありましたか?

もし気になるツボがあった場合は、そのツボを重点的に押して見ましょう。(7秒押して力を抜くを3回繰り返す)
ドラックストアなどで売っている台座の付いたお灸(せんねん灸など)をすると更に効果大です。
お灸をする場合は、図のツボ全部ではなく、ご自身の押した時の感覚で、必要と感じた(心地良かったり、痛かったりした)ツボを1~2カ所(左右合わせると最大4カ所)選んでください。
特に気になるツボがなかった方、全部気持ち良かったよ~という方は、1から5の順番の指圧を3回繰り返しましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
これで、月の満ち欠けのすべての期間の身体ケアをお伝えいたしました。
小林怜子 月よみ師の記事一覧
そのときどきに最適なケアで、自分の心と体を労い癒やしてあげてくださいね。

来月からは、別のテーマでお話をさせていただきたいと思います。
またお会いできますことを楽しみにしております。
小林怜子でした。

 

月よみ師のプロフィール

小林怜子 月よみ師
"はり師・きゅう師歴20年。月よみ師®。2児の母。

整形外科クリニックや総合病院のリハビリ室に鍼灸師として勤務し、延べ1万人以上の患者さん達と接し、我が子の喘息・アトピー、実母の癌闘病とも向き合ってきた中で、
「元気な時から自分の心と身体に気を配り、体調の変化に気付ける人を増やしたい」という想いを持ちました。

自身の切迫早産の経験から、月の満ち欠けと人の心身の関係をより深く学びたいと思っていた時に出会った“月よみ”を利用し、情報発信をしていきたいと思っています。

2015年、1人1人の患者さんとじっくり向き合いたいと想い独立し、こばやし鍼灸院開院。
心と身体の滞りを取り除くことで、痛みや症状が取れるだけでなく、その後の人生が豊かになっていくことを目指した施術を提供しています。"

マガジン内検索