もうひとつの月の宿 インド占星術のナクシャトラが伝える月のメッセージ:シャタビシャの月
こんにちは。月よみ師®でアーユルヴェーダヒーリングコンサルタント、Sahra(サーラ)です。
月よみWEBマガジンでは月よみとインド占星術を組み合わせた情報を発信しています。
前回は、
ダニシュタ (やぎ座 23度20分~みずがめ座 6度40分)についてお話しました。
前回の記事はこちらから。
今回は、今日から二日後に迎える満月の日、9月10日の日のナクシャトラ、シャタビシャについてのお話です。
*9月10日19:00頃、満月の時間帯のナクシャトラは次のプールヴァ・バードラパダに移動しています。
ナクシャトラについては、こちらで説明しています。
参考になさってくださいね。
https://tsukiyomi-magazine.com/2020/01/18/post-14139/
https://tsukiyomi-magazine.com/2022/03/28/post-24346/
今回ご紹介のナクシャトラ
シャタビシャ Shatabisha
水瓶座6°40′~水瓶座20°00′
支配神:水の神ヴァルナ
象徴:中が空の円

日のナクシャトラは、その日の日の出の時に月が滞在していた位置で決まります。
9月10日の日の出は、東京を基準にして5:24。この時のナクシャトラがシャタビシャです。
シャタビシャは水瓶座の中にすっぽり収まるナクシャトラ。
水瓶座は、不死の秘薬が入った神聖な壺を傾けた姿で描かれ、「神々の医者」とも呼ばれる星座です。
そして、シャタビシャ自体は、「百人の医者」「百人のヒーラー」と呼ばれています。
【支配神】
水の神ヴァルナが支配神です。
宇宙の水、あるいは、海を司る神とも言われています。
宇宙の水にも海にも癒しという意味が含まれていて、ヴァルナ神はヒーリングのパワーがあり、智慧や薬を使い、人々を癒します。
シャタビシャの「百人の医者」と言われていますが、それは、このヴァルナ神ともつながっていて、誕生チャートの月や太陽、アセンダントがシャタビシャにある人は、ハーブや薬に興味をもったりヒーラーなどの仕事を選んだりする傾向があります。
【支配星】
ラーフが支配星です。ラーフは実際には存在しない星で、太陽と月の交差点を表します。
ラーフには過去世の記録が保存されていると言われていて、過去世の問題を現在の人生の中で浮かび上がらせます。
課題を与えもしますが、その課題は人生のターニングポイントになり、学びを通してより高度な精神性を手に入れ、深いレベルでの癒しを経験することになります。
【シンボル】
中が空の円がシンボルです。百の星、百の花などもシンボルとして取り上げられることがあります。
円には様々な解釈があります。
ひとつは、他との境界です。円によって、外部と内部が仕切られます。シャタビシャの人はひとりでいる空間を必要とし、どちらかというと独立を好むとされています。
もうひとつは、神聖さの象徴。円は自然の摂理や終わりも始まりもない永遠を表します。
宇宙では、太陽の周囲を惑星は円を描いて回転し、自然界は円を描くようにすべては周回の摂理を繰り返しています。
そのため、シャタビシャの人には、深淵な哲学思想に惹かれたり、神秘的な叡智に心を寄せたりする傾向があるとされています。
【性質】
Movable:動く、変化の性質です。「動」と表現されます。
動くこと、移動すること、変化することなどを促すエネルギーです。
流動的な性質でもあるので、一直線に移動するというよりも、柔軟に動く感じがあります。
コミュニケーションを促すエネルギーも働きます。それは、知識や情報が移動することで生まれるのがコミュニケーションだからです。
変化のエネルギーは物事を変更することにも向いています。逆にいうと、物事の決定や定着したいことには向きません。
「動」の日には、旅行を始める、車など移動手段になるものを購入するなどが向いているとされています。
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9月10日18:59に満月を迎えます。
その時間のナクシャトラはシャタビシャからプールヴァ・バードラパダに移っています。
ですので、プールヴァ・バードラパダの満月ということになります。
プールヴァ・バードラパダは二重性をもっていて、あちらの世界とこちらの世界を分ける性質をもっています。
それは物質世界と精神世界とも言えますし、過去と未来とも言えます。ひとつの転換点になるナクシャトラです。
反対側に位置する太陽はプールヴァ・パールグニというナクシャトラになります。こちらも二重性をもつナクシャトラです。
プールヴァ・パールグニの支配神は幸運をもたらす神バーガ。物質的、精神的、両方の豊かさを与えてくれます。
幸運や豊かさを与える太陽からの光で輝く月。物資的、精神的豊かさや幸運を含んだ転換点を象徴する満月となります。
調和を表す金星は個人を表す太陽の側にいて、行動力、圧力、突発性などを表す火星とラーフの影響をうけるために、個人と他者との関係がクローズアップされます。
50代からの月よみのススメ

今年は暑さがことのほか厳しくて、夜の暑さに辟易しながら、いったいいつまで続くのかと思っていたら、拍子抜けするぐらい突然、涼しい夜がやってきました。
まだまだ秋というにはほど遠い気温ですが、それでも、外から聞こえる虫たちの声はすでに季節が変わり始めているのを教えてくれます。
アーユルヴェーダでは季節の変わり目に一番注目します。
自然界のエネルギーが変わり、それとともに、私たちの体のエネルギーも影響を受けるからです。
上手く季節の変化に合わせられるように、食事の量や内容を変えたり、服装を変えたり、生活環境を整えたりする必要があります。
季節の替わり目の微調整が上手くいくと、次の季節が本格化したときに、心地よく過ごすことができます。
夏から秋への季節の移り変わりの際にケアが必要なことのひとつは、夏の間に身体に蓄えられた熱の要素を少しずつ冷ましてあげることです。
熱を冷ますには、冷たいものをとればいいわけですが、アーユルヴェーダでは、物理的に冷たいもの、例えば、氷の入った水などを取ることはおススメしていません。
代わりに、そのものの持つ性質として冷たい性質のものに触れる、冷たい性質をもつ食材を取り入れるなどをススメています。
冷たい性質をもつものの中に、月があります。特に秋の月は、冷性をもたらすものとして挙げられています。
月の光にあてた水は、冷性という性質を帯びて、その水を飲むことで体を冷やすとされています。
また、月を眺めるだけでも冷性を体に取り入れることができます。
昼間の暑さで体内に蓄えられた熱を、夜空の月を眺めることで緩和しましょう。
夜風の冷たさの体感には個人差がありますので、冷たい風にさらされて風邪をひくようなことがないように。
外へ出ずとも、部屋の窓越しでも大丈夫ですので。快適な状態で眺めてくださいね。
※参考文献
こちらの記事は以下の書籍などを参考にしています。
書籍:
LIGHT ON LIFE by Hart de Fouw & Robert Svoboda
THE NAKSHATRAS by Komilla Sutton
27 STARS, 27 GODS by Vic DiCara (Vraja Kishor das)
※アーユルヴェーダやインド占星術についてブログを書いています。また、インド占星術の27星座を用いた個人の月の読み解きも行っています。ご興味があれば、のぞいてみてくださいね。
https://linktr.ee/akatsukiayv