もうひとつの月の宿 インド占星術のナクシャトラが伝える月のメッセージ:ウッタラ・パールグニの月
こんにちは。月よみ師®でアーユルヴェーダヒーリングコンサルタント、Sahra(サーラ)です。
月よみWEBマガジンでは月よみとインド占星術を組み合わせた情報を発信しています。
前回は、
12月23日新月の時のナクシャトラ、ムーラ (射手座0度00分~射手座13度20分)についてお話しました。
前回の記事はこちらから。
ナクシャトラは全部で27あります。これまで25のナクシャトラについてご紹介してきましたので、残りは2つ。
そのうちのひとつが、今回ご紹介する1月13日のナクシャトラ、ウッタラ・パールグニです。
ナクシャトラとは? については、こちらで説明しています。
参考になさってくださいね。
https://tsukiyomi-magazine.com/2020/01/18/post-14139/
https://tsukiyomi-magazine.com/2022/03/28/post-24346/
今回ご紹介のナクシャトラ
ウッタラ・パールグニ Uttara Phalguni
獅子座26度40分~乙女座10度00分
支配神:後援の神アリヤマン
支配星:太陽
象徴:ベッド、ベッドの後ろ脚
人と人とのつながり

ウッタラ・パールグニは12番目のナクシャトラ。獅子座と乙女座の両方をまたいでいます。星空で見ると、獅子座の尾の部分にある2つの星にあたります。
ウッタラ・パールグニはひとつ前のプールヴァ・パールグニとペアになっていて、このふたつで、ベッドの形に見える4つの星を作っています。ウッタラ・パールグニはベッドの後ろ脚の部分にあたります。
プールヴァ・パールグニは女性的なエネルギーを持ち、ウッタラ・パールグニは男性的なエネルギーをもつとも言われています。
では、ウッタラ・パールグニについて、支配神・支配星・シンボル・性質の4つの視点から見ていきましょう。
【支配神】
後援の神アリヤマンが支配神です。リーダーシップ、名誉、後援、支援、友情、社会のルールなどを司ります。
そのため、ウッタラ・パールグニでは、人類全体に対する優しさや、親切心、寛大さなどのエネルギーが生み出され、必要とする人に助けの手を差し伸べることや、社会的な決まりをしっかり守り、よりよい社会を作ることに力が注がれたりします。
アリヤマンの後押しは、人と人とのつながりの中で発揮されます。そのつながりには、友情、パートナーシップ、そして家族で引き継がれるものなどが含まれます。
友情やパートナーシップでは、お互いを思いやる気持ちやバランスが大切になります。つながることで、自分だけがよい思い、楽しい思いをするのではなく、相手も同じようによい思いをし、楽しい思いをしているかを気遣うことで、バランスのとれた、よい関係を築くことができます。
言葉で書くと簡単ですが、実行はなかなか難しかったりします。アリヤマンの支配するウッタラ・パールグニのタイミングを利用して、友達との関係性を見直してみるのもよいかもしれません。
アリヤマンの恩恵を受けているウッタラ・パールグニに月のある人は、やさしさや親切心をもち、必要な時に助けてくれる、友人として頼りになる人物であることが多いようです。
アリヤマンは結婚や相続といったことにも関係しています。シヴァ神とその妻シャクティとの結婚は、このウッタラ・パールグニの日に行われたと言われていることから、結婚や家族の絆にも焦点があたります。
【支配星】
ウッタラ・パールグニの支配星は太陽です。
太陽は、勇気、権力、自己表現、創造性などのエネルギーを持っています。
特に、ウッタラ・パールグニの領域は獅子座から乙女座になるので、獅子座にかかった領域では、獅子座の支配星の太陽とウッタラ・パールグニの支配星の太陽で、二重の太陽のエネルギーを持つことになります。
太陽は社会の中で創造性を発揮して、独自の道を見出そうとするエネルギーです。
ウッタラ・パールグニでの太陽は、人を楽しませること、人を助けることなどを目的としての創造性が発揮されます。そのため、月、アセンダント、太陽にこのナクシャトラをもつ映画監督や俳優などが多いようです。
【シンボル】
ベッドの後ろ脚がウッタラ・パールグニのシンボルです。ハンモックがシンボルとして挙げられることもあります。
ベッドには、リラクゼーションや元気の回復、休息などの意味があります。
ここで強調されるのは安心感でしょうか。休んでもよいのだと思えること、そして、安心して休める場所があるという安堵感は、生きていくうえでとても大切なことのように思います。
27あるナクシャトラで、ウッタラ・パールグニは12番目。牡羊座のアシュヴィニから始まって、ほぼ中間点にあたります。ここで、休息が強調されるベッドの象意がでてくるのも意味があるのだと思います。
アシュヴィニからはじまりレヴァティまでをひとつのサイクルとしたときに、中間点の休息は必要不可欠なように思うのです。
このタイミングで一呼吸おいて、次のステージへと向かう。そのための休息の場です。
一方で、このベッドの象意は、個人の気質にも影響を与えているということで、ウッタラ・パールグニの人と一緒にいると、安心感や守られているという感覚を得ることが多いようです。
【性質】
ウッタラ・パールグニの性質は、定着の性質の「定」になります。
月がウッタラ・パールグニにある日は、長い時間をかけて定着させるようなこと、長く続けたいこと、起業や組織の立ち上げ、結婚、新居への入居などに向く日になります。
「定」の性質のときに向く活動や次のようなことです。
・住居の契約、家の建築の開始、新居への入居など
・契約の締結、起業の届け出、新しい役職への就任、新規事業の発足、開店など
・結婚に関して、結婚式や婚姻届けを出すなど
・新しいことを始める、新しい服や装飾品を身につけるなど
50代からの月よみのススメ

新しい年が明けたばかりで、新鮮な気持ちをもって日々過ごしていらっしゃる方が多いと思います。
みなさま、スケジュール帳や手帳を活用していらっしゃいますか?
私の場合は、市販のスケジュール帳はなかなか使いこなせなくて、B6版のコクヨの手帳にあらゆることを記入するようにしています。
ベースの活用法はバレットジャーナルと呼ばれる手帳管理術ですが、もっと自由に、日々のToDoリストだけでなく、感じたことや考えたこと、夢、先々の大枠の計画などなど、とにかくどんどん記入する形式です。
片づけとある意味共通するところがあるのですが、このノートさえ見れば、すべてここにあるという感じです。片づけも、一時置き場の箱をひとつ用意しています。こうすると、なにかが行方不明になったときにも、とりあえずその箱の中にはある、というわけです。
手帳には、体調だったり、気持ちの変化だったりも記入しているので、その時には、体調や気持ちに気を取られて気が付かなかったことも、あとから、月の動きなどに照らし合わせて検証してみると発見があったりします。
月との連動で、体調の変化を発見することも多いですが、それよりも心の変化との連動に気付くことも多いです。
私は特になんでも考え過ぎるたちで、些細なことで落ち込みやすいため、自分で自分の心の動きを理解して、時に自分で自分を慰めるのに手帳が役立ちます。
月の満ち欠けだけでなく、私の場合は、インド占星術のナクシャトラも取り入れながら、手帳を通して自分を見つめています。
50代からは、体も心も生活環境も、これまでとの違いを実感するような出来事が起こりがちです。大きな自然のサイクルの中で生きていることを実感するような出来事を体験することも多くなるはずです。
これまで他人を優先させて自分を後回しにしてきた方は、ぜひ、自分を見つめる時間をとるようになさってくださいね。そのとき少し月の満ち欠けや月のサイクルを参考にしていただけると新しい発見があると思います。
新しい年が、みなさまにとって軽やかなものになりますように。
※参考文献
こちらの記事は以下の書籍などを参考にしています。
書籍:
LIGHT ON LIFE by Hart de Fouw & Robert Svoboda
THE NAKSHATRAS by Komilla Sutton
27 STARS, 27 GODS by Vic DiCara (Vraja Kishor das)
※アーユルヴェーダやインド占星術についてのブログを書いています。ご興味があれば、のぞいてみてくださいね。
https://linktr.ee/akatsukiayv