もうひとつの月の宿 インド占星術のナクシャトラが伝える月のメッセージ:プールヴァ・アーシャーダの月
こんにちは。月よみ師®でアーユルヴェーダヒーリングコンサルタント、Sahra(サーラ)です。
月よみWEBマガジンでは月よみとインド占星術を組み合わせた情報を発信しています。
前回は、
人と人とのつながりに関係するナクシャトラ、ウッタラ・パールグニ(獅子座26度40分~乙女座10度00分)についてお話しました。
前回の記事はこちらから。
今回ご紹介するナクシャトラで最後になります。
これで27個全部のナクシャトラが揃いました。
プールヴァ・アーシャーダは先月1月22日の新月の前日21日のナクシャトラになります。
2月は17日にこのナクシャトラが巡ってきます。
ナクシャトラとは?については、こちらで説明しています。
参考になさってくださいね。
https://tsukiyomi-magazine.com/2020/01/18/post-14139/
https://tsukiyomi-magazine.com/2022/03/28/post-24346/
今回ご紹介のナクシャトラ
プールヴァ・アーシャーダ Purva Ashadha
射手座13度20分~射手座26度40分
支配神:水の神アパス
支配星:金星
象徴:扇、穀物を殻と振り分ける籠
集合意識の海

プールヴァ・アーシャーダは20番目のナクシャトラ。
射手座の中にあって、弓を形作る2つの星でなりたつという説と扇の形を作る3つの星で成り立つという説があります。
プールヴァ・アーシャーダはひとつ後ろのウッタラ・アーシャーダとのペアです。
どちらも「無敵」「揺るぎない勝利」という意味を持っています。プールヴァ・アーシャーダが「無敵の前者」ウッタラ・アーシャーダが「無敵の後者」です。
またどちらも普遍性がひとつの命題になっています。
では、プールヴァ・アーシャーダについて、支配神・支配星・シンボル・性質の4つの視点から見ていきましょう。
【支配神】
水の神アパスが支配神です。宇宙の水の神とも呼ばれます。
アパスの司る水には、宇宙意識、普遍性、集合意識、浄化などの意味が込められています。
アパスが私たちに伝えるのは、私たち誰もが水を通じてつながっているということ。
水とは、知識や智慧の源としての宇宙の大河、そして、集合意識です。
インド占星術のチャートでは、プールヴァ・アーシャーダの反対側に位置するのがアールドラです。
アールドラのシンボルは涙。この涙は個人の涙。個人の力を発揮していくために必要な涙を表します。
その反対にあるプールヴァ・アーシャーダの水は広がる水。皆で共有するべき水になります。
あふれる水が四方八方へ果てしなく広がりあらゆるものを取り込んでいくように、アパスは個々のもつ力を集め、高次の目的達成のためにそれを統合していくことを促します。
ひとりひとりのエゴを越えて、もっと大きな視点で物事の全体を見ることへと導くのです。
より広いを視野と寛容さをもち、お互いを受け容れること、そして、個人のかたくなな信念にとらわれず、また、個人のゴールだけを目指すのではなく、みんなが共通して味わうことができる普遍的な豊かさを手に入れるための行動を促す。それがアパスの水のエネルギーです。
【支配星】
プールヴァ・アーシャーダの支配星は金星です。
金星は華やかさや社交性、人気などをもたらし、特に支配神アパスの水の力と合わさって、名声が広がることを示しています。
また美的感覚をもたらすので、プールヴァ・アーシャーダの人は、芸術的才能に恵まれるとされています。
【シンボル】
扇、穀物を殻と振り分ける籠、象の牙などがプールヴァ・アーシャーダのシンボルです。
1) 扇の解釈
あおぐという行為から、
・不屈の精神をもつプールヴァ・アーシャーダの情熱の火が消えないように風を起こすためのもの
・短気で時に攻撃的になることもあるプールヴァ・アーシャーダを冷静にするためにあおぐ必要がある
装飾物として捉えた場合には、
・美しい装飾品としての扇は、プールヴァ・アーシャーダの人気・名声を表す
・顔を隠すものとして使われる扇は、内に秘められた才能や美しさを表す
2) 穀物を殻と振り分ける籠
不要なものを取り除くということから、魂の浄化を意味するとされています。
3) 象の牙
・象が牙を使って障害物を取り除くことから、障害を取り除くことを表す
・ガネーシャ神がご自身の牙を折って聖典を描き続けられたことから不屈の精神を表す
・その美しさや様々な用途に使われることから、内に秘められた能力や美しさを表す
共通するのは、美しさや秘められた能力、不屈の精神、魂の浄化です。
プールヴァ・アーシャーダに備わる、これまで気づかなかった自己の能力や美しさに気付き、どんな障害があってもそれを乗り越えて、よりよい世界を築くために力を尽くすといったエネルギーを表しています。
【性質】
プールヴァ・アーシャーダの性質は、激しい性質、「恐」と表現されます。
月がプールヴァ・アーシャーダにある日は、強引に進めたいこと、決断力が必要なこと、断固とした態度でのぞむ必要のあることなどを実行しやすい日になります。
「恐」の性質のときに向く活動は次のようなことです。
・悪い習慣を断ち切る、続けたくない関係を切る、束縛から自由になる
・物を壊す、物を燃やす、雑草の除去、木の伐採など
・薬品や毒性のあるものを扱う
・浄化に関すること
50代からの月よみのススメ

50代になると、手放すという現象に直面することが多くなります。
強制的に手放す体験をさせられることもあれば、自ら手放すという行動をとる場合もあります。
これまでたくさんのものを背負ってきたことで、だんだんとその重みが負担となり、身動きし辛くなっていることも多いはずで、手放すことは必要なことだと思います。
手放しには2つの目的があります。
・たくさん背負いすぎている場合に、ただ身軽になるため
・これから新しいことを始めたい、新しい出会いが欲しいという場合に、そのための空間を作るため
人生100年時代と言われる今の社会では、50代は折り返し地点。
この先の人生を、これまでの経験を活かしながら、より自分らしく生きていくためにも手放す作業は必要なことです。
物の整理としての手放しは、断捨離という言葉でよく認知されていると思います。
けれど、ここでお伝えするのは、これまで蓄えてきた知識や経験であったり、人間関係です。
50代ともなれば、それまでの間に、学校での勉強以外にも様々な学びに触れてきたと思います。
学んだことを趣味として続けていたり、あるいは仕事にしてきたという場合もあると思います。
それらを長く続けている間に、もう充分やったからいいかな、と思えたり、あるいは、続けることがちょっと苦痛になっていたりすることがあります。
折角ここまで続けてきたのだから、今やめるのはもったいない、などと思うものですが、だからといって、これからも続けなければならない理由はありません。
折角だから、もったいないから、という気持ちをちょっと横に置いて、本当にそれを続けていきたいのかを自分の心に聞いてみることも大切です。
人間関係も同じです。人とのお付き合いは期間が長くなるなかで変化することがあります。
もちろん、変化を経ながらお互いがうまくかみあって長くお付き合いできる場合も多いです。
ただ、会う時はいつもなんとなく緊張するとか、気を遣いすぎてしまって会った後に疲れる、会ったあとに落ち込むことがあるなど、なんとなく違和感がありながらお付き合いしているということはありませんか?
逆に、あなた自身が必要以上に依存し過ぎている、頼り過ぎているなんてこともあるかもしれません。
そうした人間関係についても、これからはじまる新しい世界を体験するためには、立ち止まって、本当にこれからもつないでいきたいお付き合いなのかを見極めることも必要です。
もちろん、あなたとは縁をきります!と宣言するのはおススメではありませんよ。そうではなくて、これは、あくまでも、あなたの対応の仕方を見直しましょうということ。
人間関係の見直しは、なにかと心に傷を負うことが多いですが、心配しなくても大丈夫です。あなたが意識をするだけで、あなたの周りには、あなたにとって必要な人だけが残っていきますから。
50代以降はあれもこれもできるわけではなく、これからの時間は今まで以上に貴重なものになっていきます。
あなたの貴重な人生の時間のために、知識や経験や人間関係を見直して手放す。
物の断捨離よりずっとハードルが高くなるので、こんな時こそ、月のパワーを活用してください。
新月・満月だけでなく、刻々と星座を移動する月は、その場その場で異なるエネルギーを発しています。
そして、そうした月の動きに世界の多くの人が注目し、意識がそこへ向かうことで、そこに集合意識が生まれ、月のエネルギーが生み出す現象がさらに起こりやすくなります。
ぜひこれからも月よみWEBマガジンを覗いていただいて、月の情報をキャッチして、自分らしくよりよい人生を生きるために活用してください。
今回の投稿で27ナクシャトラすべての解説が終わり、私の投稿は今回で一旦終了となります。
これまでお読み頂き本当にありがとうございました。
感謝。
※参考文献
こちらの記事は以下の書籍などを参考にしています。
書籍:
LIGHT ON LIFE by Hart de Fouw & Robert Svoboda
THE NAKSHATRAS by Komilla Sutton
27 STARS, 27 GODS by Vic DiCara (Vraja Kishor das)
※アーユルヴェーダやインド占星術についてのブログを書いています。ご興味があれば、のぞいてみてくださいね。
https://linktr.ee/akatsukiayv